夫婦の問題を長年扱ってきた臨床心理士が語る、セックスレス・会話レスの克服の考え方、対策、夫婦のカウンセリング。質問やコメントを歓迎します。
典型例2:自分たち以外のことは何でも話すコミュニケーション
夫婦でたくさん話をしているが、実はよく観察すると、常に第3者の話であって、自分たちの話を全くしないというケースもあります。これも、気にならない人にとっては、たいした問題ではないのかもしれませんが、気になる人にとっては大きな問題です。
そして、これも隠れ会話レスなので、自分がいらいらしたりするとしても、それがこの隠れ会話レスのせいであるということが分かりにくいのです。
隠れ会話レスの続きです。
典型例3:業務日誌のようなコミュニケーション
典型例1のように、直接話せないというようなことはないのですが、話している内容が、事実の羅列に過ぎないケースです。
こちらは、夫婦とも情緒的なかかわりをあまり好まない場合は、問題にならないこともあります。
業務日誌のようなコミュニケーションは、ただひたすら事実を話すのです。
一見会話をしているように見えるのに、実は会話レス、それが隠れ会話レスです。
これは、誰からみても会話がない、会話レスよりも厄介です。
何といっても、当事者すら会話レスと気づかないことが多いのです。
何となく、ストレスや不満感、相手に対するイライラを感じることはあるかもしれませんが、それが会話レスのせいだということに思い当ることはまずないと言っていいでしょう。
隠れ会話レスとは
典型例1:第3者を介したコミュニケーション
この第3者には子どもがなることがほとんどです。わかりやすいのは、夫婦がお互いに子どもに話しかけることで意思疎通する状態です。
夫:(子どもに向かって)今日はどこで遊んだんだ?
妻:(子どもに向かって)○○公園に行ったのよね。
夫:(子どもに向かって)楽しかった?
妻:(子どもに向かって)楽しかったわよね。
・・・
もう少し手が込むと
セックスレスの入り口に多くの場合「会話レス」があります。
セックスというのは、情緒的なかかわりです。そしてお互いが傷つきやすい形で行われるかかわりです。
そのため、セックスを物的なものとしてとらえているのでなければ(そういう人もたくさんいます)、安心できる関係の中でしか行われません。その安心感を作り出すのが会話なのです。