夫婦の問題を長年扱ってきた臨床心理士が語る、セックスレス・会話レスの克服の考え方、対策、夫婦のカウンセリング。質問やコメントを歓迎します。
セックスレスはとても不思議な世界です。
「セックスレス以外に何も問題はない」という仲良し夫婦は結構います。その行き着く先ともいえるのが、この「セックスレスだけど子供が欲しい」です。
不妊科外来に行くと、セックスレスであっても人工授精などによって子供を作ることができます。もちろん合法ですし、悪いことは何もありません。
人間の欲望をかなえるために、科学技術は発展してきました。①遠くに移動したい、②苦労はしたくない、という2つの条件をクリアするために車などの移動手段が発展しました。それを否定する理由がないのと同じように、①子供が欲しい、②セックスはしたくない、という2つの条件が重なった夫婦がいて、その人たちの望むことを提供するのを否定する理由は見当たりません。
一時期、セックスレスだけど仲良しで何が悪いみたいな論調の記事が雑誌にまとまって出たことがありました。もちろん、セックスレスでも「悪い」ということはありません。ただ、良い悪いではなくて、セックスレス以外に何にも問題がない、とか、セックスレスだけど子供が欲しい、というのは何か妙と感じる人が多いのも事実です。
その「何か妙」という感覚は、カウンセラー的にはとても大事です。論理的(意識的)には明確になっていないものの、無意識的には何かがうまくいっていないことを示すサインかも知れません。
現代人は意識をとても重視します。おかげで、そうした感覚的な違和感を無視する傾向があります。体の痛みが体の変調のサインであることが多いように、違和感は心の変調のサインであることが多いのです。
では、セックスレスに伴う「違和感」の正体は何なのでしょうか?
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